『スーパーカブ』 美術ボード集【後編】
『スーパーカブ』 美術ボード集 【後編】
両親も友達も趣味もない、「ないないの女の子」小熊。そんな彼女の単調な生活は、ふと見かけた中古のカブを買ったことで、少しずつ変わり始める――。
現在放送中の角川スニーカー文庫にて刊行中のライトノベル原作作品『スーパーカブ』。
ここでは、前編に引き続き本作を彩る美術ボードを美術監督の須江信人と畠山佑貴のコメント付きで掲載する。
2021年6月10日(木)
前編はこちら
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https://st-kai.jp/works/supercub/
https://supercub-anime.com/
信用金庫・外観・昼
古い感じの建物ですね。雨だれを大切に描いています。この絵は見栄えだけ考えると光の当たり方を変えたほうがいいのですが、リアルな光源で考えるとこうなるんです。絵としての決まり具合より、リアルを優先させている例ですね。(畠山)
甲府一校・中庭・昼とくにこの校舎は顕著でしたが、BGオンリーのカットが入るときに大事なのが音なんですよね。薄く入っている人の声や雨の音。それらが、美術を静止画だと思わせないための大事なファクターだったと思います。(畠山)
シノさんのバイク店・昼シノさんのバイク店は、実際に存在している建物をモデルにしているんです。タレントでゲージツ家として活動されているクマさん(篠原勝之さん)の工房ですね。ロケに行ったときにも、いらっしゃったんですよ。「奥で休んでいきなよ」なんて言ってくださって、うれしかったです(笑)。(須江)
アップガレージ・外観・夕景実際に存在する建物であっても、線画から美術設定として起こしなおすのが大事だと考えています。たとえば、このアップガレージですが、じつは奥の風景の見え方を実景と変えているんです。こういうアレンジを加える際、写真をもとにしてしまうと、指針があるがゆえに逆に難しくなってしまうんですよね。(須江)
日野春団地・前の坂道・朝秋口は葉を色づかせることで季節を表現していきました。ただけっこう無理をしているところもあって、針葉樹なんかも赤くなっていたり……(笑)。「どんなふうに季節を表現していくか」、それを考えることはやりがいにも繋がっていました。(畠山)
日野春団地・外観・昼小熊の住んでいる団地の外観--これが『スーパーカブ』で最初に描いた美術ボードです。このボードをもとにして、方向性などを検討していきました。藤井監督が非常に細かくリテイクを出す方だということが、よくわかったボードでもありました(笑)。(須江)
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公式サイト
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